ディアスポラ読んだ

"ウルトラ・スーパー・ハードSF"ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)を読了。

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

人間の末裔が、自己改変の多寡はあれどDNAによるたんぱく質の塊であることをやめない事では一致する肉体人、意識をソフトウェアにし生の肉体から機械の体に乗り換えてなお物理法則の支配する世界に執着するレイズナー、肉体を持たないソフトウェア生命となったポリス市民の3つに分化した遠未来から始まる、途方もないディアスポラ(離散)の物語。
噂どおり超難解。1章はどのようなプロセスで自我を持つポリス市民が無から作られるのか、ということを「禁則事項です」とか言わずにもっともらしく説明してくれているのだけれど、読み始めて10ページほどで早速泣きたくなったくらい。
他にも難解なところは数多くあれど、自分が一番面食らったのは5次元空間の描写の多さでした。そんなの思い浮かべるの無理。わずか十六次元の切片だとか言う登場人物もいるが……
もっとも、

読み出したはいいが途方に暮れている文系読者のための攻略法は、しごく簡単。すなわち、「わからないところはばんばん飛ばす」。

とあとがきに書かれているように、大まかなイメージだけ浮かべて考えすぎないようさえするのが一般人の読み方。あとはSFが好きな人なら読んでいるうちに超光速航法への挑戦、物理法則の異なる別の宇宙、未知の生命とのコンタクト、人類以上に高度な知的生命体などのよく練られた定番ネタに引き込まれるんじゃないかと。